DNAと価値観
DNAの二重らせん構造を発見したノーベル医学・生理学賞のジェームズ・ワトソン博士(79)の発言が波紋を広げているらしい。
「黒人は知能で白人に劣る」
博士によると、「アフリカの人々(黒人)の知能はわれわれと同じという前提で社会政策がつくられているが、すべての知能テストがそうではないことを示している」…のだそうだ。
根拠は知らないが、この博士は科学者だから統計的事実として客観的な意見を述べたまでで何ら差別的な意味は含んでいないつもりなのかもしれない。しかし、「つもり」ではすまない。DNA研究の第一人者の口からそんな言葉が出ると相当ショッキングだ。
この博士のIQとは比べ物にならない貧相な脳みそだが考えてみた。思うに知能テストなるものが計るもの、それは「白人主導で発展してきた先進国社会の価値観を前提に、それを満たす能力を数値で表したもの」にすぎないのでは?
整った教育環境で育ち、成功し社会的地位や富を得ることを幸せと考え、ハイテクノロジーを駆使した不自由のない暮らしを手に入れる…のならば、そりゃ知能は大事だろう。運と同じくらいに。しかし、そういうことに価値観を見出す社会がすべてじゃない。そして何より、どんな社会であっても「知能」だけが人間の価値を判断する重要要素であるかのように扱うのは恐ろしいことだと思う。しかも人種としてその平均点を評価したところで、個人の資質とは何ら関係ない。それを「事実」だと振りかざすことに一体何の意味があるというのだろう。
一人の人間の特徴は、「知能」の他にも色々な要素からなる。たとえば「身体能力」。たぶん黒人は他の人種を上回るだろう。「リズム感」についてもまたそうだと思う。それもまた特徴。でも、「知能」を示す数値とは違い、これこそ考え方や価値観に関係のない物理的な「事実」だ。
ジャズ界という社会。ここでは「演奏技術」や「アドリブの発想力」、そして「スイング感」やなどがまず命。プロならビジネスセンスも必要かもしれないが、「知能」では到底計れない世界だ。そしてジャズ界においては、「神様」達の多くが黒人だ。黒人たちがその飛びぬけた能力でジャズという文化を芸術の域に押し上げてきたのだ。人種を問わず現代のジャズミュージシャンは、黒人を中心とする巨匠たちが残したこの大いなる遺産に限りない敬意を表し、それを守り発展させるためにジャズに取り組んでいる。
ちなみに、100%日本人である大我のジャズドラムは、よく「黒人みたい」と表現される。それはこの社会でのこの上ない褒め言葉と受け取って喜んでいるし、誇りに思って励みにしている。狭い世界かもしれないが、そこに生きる人間は真剣なのだ。他の社会と同様に…
さて、寿齢の博士…。
この発言が真剣に生きている多くの人々をどれだけ深く傷つけたか、しっかりと考えてほしい。
科学者だから頭で分析するのは自由だが、発言すべきことがどうかの判断が出来ないところがまずどうなんだろう。「知能指数」を量るように、人の痛みがわかるとか、回りに気を使えるといった「良識指数」みたいなものがもし算出できるなら、この博士のその数値はいかほどなのだろうか。そういう意味も含めて人にはそれぞれ得意分野、不得意分野があると痛感する。
人種がどうであれ知能指数の高い人の多くは、たぶん我々が生活する社会にとって有益な人材で、少なからずその恩恵を受けているだろう。しかし、それは時として地球上に多くの不幸を生み出しているということも紛れもない事実だ。
*その後ワトソン博士は、根拠はなかったとして発言を撤回し、公式に謝罪したらしい。謝罪するなら最初から言うな!って人は洋の東西を問わずどんな社会にもいるようだ…
「黒人は知能で白人に劣る」
博士によると、「アフリカの人々(黒人)の知能はわれわれと同じという前提で社会政策がつくられているが、すべての知能テストがそうではないことを示している」…のだそうだ。
根拠は知らないが、この博士は科学者だから統計的事実として客観的な意見を述べたまでで何ら差別的な意味は含んでいないつもりなのかもしれない。しかし、「つもり」ではすまない。DNA研究の第一人者の口からそんな言葉が出ると相当ショッキングだ。
この博士のIQとは比べ物にならない貧相な脳みそだが考えてみた。思うに知能テストなるものが計るもの、それは「白人主導で発展してきた先進国社会の価値観を前提に、それを満たす能力を数値で表したもの」にすぎないのでは?
整った教育環境で育ち、成功し社会的地位や富を得ることを幸せと考え、ハイテクノロジーを駆使した不自由のない暮らしを手に入れる…のならば、そりゃ知能は大事だろう。運と同じくらいに。しかし、そういうことに価値観を見出す社会がすべてじゃない。そして何より、どんな社会であっても「知能」だけが人間の価値を判断する重要要素であるかのように扱うのは恐ろしいことだと思う。しかも人種としてその平均点を評価したところで、個人の資質とは何ら関係ない。それを「事実」だと振りかざすことに一体何の意味があるというのだろう。
一人の人間の特徴は、「知能」の他にも色々な要素からなる。たとえば「身体能力」。たぶん黒人は他の人種を上回るだろう。「リズム感」についてもまたそうだと思う。それもまた特徴。でも、「知能」を示す数値とは違い、これこそ考え方や価値観に関係のない物理的な「事実」だ。
ジャズ界という社会。ここでは「演奏技術」や「アドリブの発想力」、そして「スイング感」やなどがまず命。プロならビジネスセンスも必要かもしれないが、「知能」では到底計れない世界だ。そしてジャズ界においては、「神様」達の多くが黒人だ。黒人たちがその飛びぬけた能力でジャズという文化を芸術の域に押し上げてきたのだ。人種を問わず現代のジャズミュージシャンは、黒人を中心とする巨匠たちが残したこの大いなる遺産に限りない敬意を表し、それを守り発展させるためにジャズに取り組んでいる。
ちなみに、100%日本人である大我のジャズドラムは、よく「黒人みたい」と表現される。それはこの社会でのこの上ない褒め言葉と受け取って喜んでいるし、誇りに思って励みにしている。狭い世界かもしれないが、そこに生きる人間は真剣なのだ。他の社会と同様に…
さて、寿齢の博士…。
この発言が真剣に生きている多くの人々をどれだけ深く傷つけたか、しっかりと考えてほしい。
科学者だから頭で分析するのは自由だが、発言すべきことがどうかの判断が出来ないところがまずどうなんだろう。「知能指数」を量るように、人の痛みがわかるとか、回りに気を使えるといった「良識指数」みたいなものがもし算出できるなら、この博士のその数値はいかほどなのだろうか。そういう意味も含めて人にはそれぞれ得意分野、不得意分野があると痛感する。
人種がどうであれ知能指数の高い人の多くは、たぶん我々が生活する社会にとって有益な人材で、少なからずその恩恵を受けているだろう。しかし、それは時として地球上に多くの不幸を生み出しているということも紛れもない事実だ。
*その後ワトソン博士は、根拠はなかったとして発言を撤回し、公式に謝罪したらしい。謝罪するなら最初から言うな!って人は洋の東西を問わずどんな社会にもいるようだ…
| home |

