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2008-09

夢か幻か…?目の前にあの巨匠が! - 2008.09.02 Tue

 決して解決することの出来ない悩みが大我にはあります。
 エルヴィン、マイルス、コルトレーン、モンク、バド、ブレーキー、ピーターソン…。
 その生演奏を聴くことは不可能なのです。
 数えだすときりがない、星になってしまったジャズ界の巨匠達。でももう亡くなってしまわれていてはどうしようもありません。しかし、中にはご存命でありながらもさまざまな事由で、演奏活動を行っておられない巨匠もおられます。それがまた何とも悔しいんです。そんな巨匠の筆頭がトランペッターのフレディ・ハバード氏。天才的なひらめきで数々の名演を残してきたスーパースターですが、残念なことに50代半ばという油の乗りきった時期に唇を痛めて演奏活動が出来なくなってしまわれ、ステージでその姿を見ることが出来なくなってしまったのです。
 …と、一言でさらりと簡単に書いてしまいましたが、ご本人にとっては簡単に言葉に表現できないほど、察するに余りある地獄の苦しみだったにちがいありません。Be-Bop最盛期から90年代まで第一線でジャズを引っ張ってきた華やかな大スターです。まだまだジャズの世界でやりたいことが山のようにあったはず…。いえ、それよりも、吹きたくて、吹きたくて、ただトランペットを吹きたくて仕方なかったはずなのに、「吹けない」って言うのはどれほどの苦しみであったかと思います。「聴けなくて残念だ」などと感想で片付けては失礼…そう思っていました。でも残念でたまりませんでした。

 しかし、夢みたいなことはあるものです。
 フレディ・ハバード復活
 少しずつ活動を再開されていたそうですが、今回復活のCD発売となり、それを記念してのステージを大我は観ることができたのです!大我のお気に入りのエルヴィン・ジョーンズのDVD「至上の愛」でトランペットを吹くフレディの雄姿は何度も繰り返し観てきた大我ですが、今回初めて生で聴けるのです!

 Iridiumでのこのライブは、フレディ70歳の誕生日も祝うとの趣向でなんと5Days! しかもメンバーがすっごい!それが入れ代わり立ち代り登場…。出来ることなら毎日通いたいくらいでした。
 フレディ氏、開演時間になっても現れません。ちょっと心配して待つこと15分・・・物凄いオーラを感じお店の入り口を見上げると、お付きの大男3名と御到着!入場されるとバーカウンターに直行!駆けつけ3杯グウィット飲み干し笑顔で楽屋へ。その姿を見てひとまず安心!さらに待つこと15分。その間も店員がカウンターと楽屋をお酒を持って何往復もしていました。・・・ちょっと心配。そしてメンバー全て登場した最後にMrフレディが上機嫌の赤ら顔?で登場!!!もうその立ち姿だけでも涙もんで、一瞬で会場の空気が幸せ色一色に包まれました!往年のほとばしるパワーや鋭さこそ見られないものの、そのたおやかなフリューゲルホーンの音色にはOne and Onlyの輝きは失われておらず、気心の知れた仲間とのステージでの再会を心から楽しんでいる感じがしました。


大我が観た夜のクレジットは以下の通り

Freddie Hubbard (frugelhorn)
Larry Willis (piano)
James Spaulding (alto sax, flute)
Yavon Jackson (tenor sax)
David Weiss (trumpet)
Steve Davis (trombone)
Santi DeBriano (bass)
Louis Hayes (drums)

Tiger@Iridium
後ろのポスター見えますか?
トロンボーンCurtis Fuller ドラムJoe Chambersっていうラインナップもあったんです!!

 Iridiumのステージは、ビッグバンドも出るのでとても広いですが、そのステージが狭く見えるほど圧巻の5管!大迫力でしたが、バランス的に目の前の管セクションが迫力がありすぎて、遠かったピアノがあまりよく聞こえないくらい。リズムセクションはとても強力。初めて見るベーシストのサンティさんはきっちりしっかり、キレのあるサウンドでバンドを引き締めていて、今回聴けて「儲けもん」的な感じがしました。そして、ドラマーが巨匠ルイス・ヘイズ氏!大我大興奮!もちろんドラムセットが一番良く見える位置に陣取って、巨匠のドラミングをじっくり楽しみました。


 ステージ中、フレディ氏のしぐさや行動を見ていた大我がくすっと笑いながら一言。
「なあなあ、日野さんもおんなじコトするやんな…」
リーダーなのに、自ら床のコードの絡みを直したり、激しいプレイでズレたドラムセットの位置を調整しに行ったり、他のホーンセクションのソロ中に厳しい表情で近付き、鋭い眼力で支持を与えたり、はたまた演奏中のピアニストの耳元で冗談を言って大笑いしたり、ベーシストにはもうワンコーラス弾けとはやし立てたりと、やり方とか…、やることなすこと、日野皓正氏のステージ上の行動ととっても似ていると思ったようです。
 親交も深い東西のトランペッター、メンタリティが似ているのでしょうね。
 でも、汗だくで思いっきり叩きまくるルイス・ヘイズ氏には何のリクエストも無し。
 日本では良く言われます。(ニセモノやナンチャッテ評論家に・・・)「人のソロ中、音量を落として叩かないと、ソロをしている人の音が聞こえなくなるので失礼だよ」と。
 もちろん分かっています。BGM的なラウンジジャズや声量の無いヴォーカリストの後ろなどでは、そうせざるを得ませんのでそんな叩き方はしません。大我はそのような時、非常に不完全燃焼になるようで嫌みたいです。
 フレディー氏やマイルス、モンク、コルトレーン、ピーターソン各氏などのバックで演奏するドラマー達は、ガンガンにぶっ飛ばします。それに触発されるようにフロント陣も持てるパワーを出し切る演奏をし、一体感が生まれていきます。
 大我が好きなのは、そういう一体感(躍動感)を創れるジャズなのです。
 限界までやってみるという演奏経験をしないまま、「心地よい」と言われる「綺麗なジャズ」を追い求めている若手ミユージシャンが沢山いるように思います。出し惜しむのか、怖いのか…。そして悲しいかな、そういう人ほど自身に対する言い訳や講釈は一流だったりするのです。
 若手に限らず、時々、大我のライブに飛び入りをする中堅やベテランの方々でも、「あんなパワーで叩かれると、こっちは何もできないよ~自分の音がお客さんに聞こえないよ~」と回りに愚痴をこぼされることがあります。音が届かないという事実、それは若い時にガンガンにやり尽くした経験が無いと言うことを物語っているのです。それに気付かないのです。
 お年を召し、最近は少々おとなしく演奏されているNYやハーレム、ニューオリンズの巨匠たちも、大我とプレイすると一気に昔やり尽くした音量(パワー)にもどり、汗だくで演奏されます。大我の音量なんか一発で吹き飛ばします。大我はこのバトルがとっても大好きだそうです。負けるもんか~って、その瞬間瞬間、持っている全てを出し切るのです。出し惜しみ無し!
 静かに演奏する事は直ぐ出来ますが、激しい演奏になった時に即反応できません。やれる時(若い時)にやり尽くしておかないと、反応(会話)する幅が狭くなる気がします。ジャズミュージシャンとしての幅さえあれば、「心地よいとか、綺麗に聴こえる様なジャズ」は、曲調やプロデューサーの意向に沿うような形ではいつでもできるはずです。
 ルイス・ヘイズさんやロイ・へインズさんは幅の広い豪快なドラミングがひとつの大きな魅力です。だからこそスターなのです。体力がある限り、叩きちぎってください!!!そう心から思っている大我です。
 フレディ氏や日野さん、そしてロリンズ氏などが何歳までガンガンに吹きちぎってくれるか分かりませんが、いつも期待をこめて見つめているのです。


 ライブ後…
 まずは憧れのルイス・ヘイズさんにご挨拶。ルイスさん、今までCDでしか聞いたことがなかったので分かりませんでしたが、その骨太なドラミングからは想像できない優しい物腰の方でした。物静かでむしろ女性的な感じがしました。全員スーツの中、一人だけサマーニットの白いセーターに大きな個性的なペンダントをしておられ、とてもおしゃれな方とお見受けしました。
 ルイスさんは、大我にゆったりした笑顔で「君の事は聞いて知ってるよ!頑張ってね。」と何度も優しく肩を叩いて下さり、一緒に写真をとってくださいました。
大我&Mr. Louis Hayes

 ここで、びっくり…。大我とルイスさんがカメラに向ってポーズをとっていると、なんと周りが知らない人のカメラだらけになっていました。他のお客さんがこの2人のドラマーのレア2ショットを取ろうと集まってきたのです。大我もルイスさんも何事かときょとんとしていました。

 フレディさんはさすがに大スター。バックステージでも本当にたくさんの人が彼に挨拶をしたり、握手を求めたり…。フレディさんは、とってもおしゃべり好き。ものすごく気さくに、どなたに対してもまるで親友に会ったかのように楽しげにお話をされていました。大我も初めてご挨拶をしました。ゴキゲンなフレディさんは小さな少年ドラマー大我に興味津々で、いろんなことを尋ねられましたが、バスター・ウィリアムズさん、ベニー・グリーンさんとトリオでレコーディングしたという話になると、しばし絶句。大きな目をさらにサッチモの様に大きく見開いて、やっぱりものすごーくびっくりされていました。バスター、ベニーの二人ともとバンドを組んでおられたことがあるフレディさん、とても信じられないといった様子で「Are you THAT good?」(きみはそれほどまで上手いのか?)と尋ねられました。「Yes!」と大我。やるもんだ!フレディさん大笑いして、「そりゃ聴かないと!NYでライヴはないのか?」「7月7日にエディーさんと・・・」と答えるとマネージャーに「俺もSMOKEにいくから」と。マネージャーから「その時期は南米ツアーです」との返事にがっかりされ(こちらもガッカリ・・・)「今度機会があれば必ず行くよ!CD聞かせてくれよ!日野にヨロシク!」と固く握手して下さいました。

大我&Mr. Freddie Hubbard
 後ろにはフレディさんの晩御飯が…!冷めてしまわないか心配でしたが、そんなことお構いなしで夢中でお話してくださった気さくな大スター。感激です!
 
 バックステージから戻る途中、トロンボーンのスティーブ・デイヴィスさんとすれ違いました。
「あー!キミ!えーっと!Tiger?!」と突然叫ぶスティーブさん!
「どこかで一緒に演奏したよ…どこだっけ!あー悔しい!思い出せない!」と苦しんでおられましたが、こちらもどうしても思い出せず…。思い出したらメールするよ!2ショット撮ろうよ!ということになりパチリ!お送りすることを約束してお別れしました。

 今回発売するCD「On The Real Side」からの曲などを演奏されたのですが、大我、1曲目の個性的なテーマの運びがとっても気に入ったようで、帰りに口ずさんでいました。
 後にニューオリンズへ行った時にも、カーラジオから流れるメロディを聴いて「あっ!こないだのフレディの曲や!」と叫んでいました。すっかり気に入って頭に焼きついてしまったようです。
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